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海外駐在員の目から見た日本とイギリス


by Mikihiko_Makita
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地震に対する認識

先日、日本で震度5の地震があった、と新聞や衛星TVで知った。イギリスで生活していると、あらためて日本が地震大国であることを痛感する。地震だけではない。津波や台風、大雨による土砂災害など、日本は常に自然の脅威にさらされ続けている。従って、そういった自然災害に対する日本人の認識レベル(予知や備え、取るべき行動など)は非常に高いと言える。人間はどうしても自然に立ち向かえない時があり、それを受け入れ、それでも自然と上手に付き合っていく。昔から受け継がれてきた生きていくための知恵が日本人の間の共通認識として存在する。

しかし、ヨーロッパ、とりわけここイギリスでは、大多数の人が「自然」に対してさほど恐怖心を持っていない。確かに、地震は滅多に起きないし(大体、日本のように活動的な海洋プレート上に乗っているわけではない)、大雨、ハリケーンなどもあまり耳にすることは無い。
「ヨーロッパに歴史的な建造物が多く残っているのは、地震がまったく無いからだ」と誰かが言っていた。確かにそれは一理ある。日本と異なり、石造やブロック建築が多いのも、崩れる心配が無いからだろう。

もし仮に昼間オフィスで震度2程度の地震が起きたとしよう。日本人にとっては「あ、地震だ」くらいなもんである。様子を見て、すぐに仕事に戻るだろう。しかし、イギリス人は絶対にパニックにおちいる、という確信が僕にはある。「世界の終わりは家族と一緒にいたい」とかなんとか言いながら、帰宅してしまう人が続出し、道路は大渋滞だろう。地下鉄もストップするに違いない。

日本で起きた地震のニュースを見ながら、そんなことを考えた。
by mikihiko_makita | 2005-07-26 17:07 | 習慣