海外駐在員の目から見た日本とイギリス


by Mikihiko_Makita
カレンダー

<   2006年 05月 ( 16 )   > この月の画像一覧

humor sense 1

イギリス人のユーモアセンスには目を見張る時がある。
特に挙げたいのは、オフィスでの電話ネタ。


Case 1 "She is training actually"

僕と同じフロアに F女史 という体格の良い(少々、というかかなりポッチャリ型の)おばちゃんがいる。彼女の、最近の携帯電話の着メロは映画「Mission Impossible」のテーマ。緊張感・緊迫感溢れるあの曲だ。しかし彼女は携帯をデスクに残して席を立つことが多い。持ち主の居ない時分に鳴り響く着信メロディとしては、これほど周囲を苛立たせるものは無い。

先日、またF女史の携帯がけたたましく音を奏でた。

いつもの様に、彼女は不在である。電子音で構成された「Mission Impossible」のボリュームはますますその緊迫感を増す。周囲のイライラがピークに達する頃、F女史のデスクの近くに座る同僚が鳴り止まぬ携帯電話に向かって叫んだ。

「彼女はジムでトレーニング中だよ!」

これだけでも周囲は耐え切れずに失笑してしまっていたが、彼らイギリス人のブラックユーモアにはまだ続きがあった。近くのもう一人の同僚が大声でこれに応じた。

「いや、それは "Mission Impossible" だ!!」

抑えきれずに腹を抱えて爆笑するオフィスの同僚たち。


スゴイ、と思った。目から鱗、だった。
ブラックなギャグを畳み込んでいく技量とスピード、完成されたパスワーク。

それを受け入れる皆の心のおおらかさ。

うーん、やはりこの国の人からは学ぶべきものがまだまだありそうだ。
少しずつ彼らの引き出しを開けていけたらいいな、と思う。

Case 2 は また後日。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-28 07:16 | 習慣

first escape

はじめは、空耳かと思った。

夜8時過ぎ。会社から帰宅して部屋着に着替える僕の耳に、誰もいないはずの庭の方角から、 ♪オモチャのマーチ♪ が聞こえてきたのだ。

チャチャチャ おもちゃの チャ・チャ・チャ!


どうやら空耳ではないらしい。
頭を整理する。自分と周囲の行動を振り返る。

3分前  帰宅して部屋に入り、妻と娘に「ただいま」をした
(この時、二人は「おかえり」と言ってくれた)

2分前  洗面所で手を洗いうがいをした
(この時、僕の視界の隅には、僕の時計と携帯電話を手にする娘の姿があった)

1分前  服を着替え始めた
(この時、僕の視界の隅には、自分一人で長靴を履こうと奮闘する娘の姿があった)


「え。 まさか・・・」


開け放たれた窓に駆け寄る。庭の隅々を凝視した。
すると、ある物体が目の前を スーッ と通り過ぎたのだ。

チャチャチャ おもちゃの チャ・チャ・チャ!


e0032092_1025096.jpgそこには、

僕の腕時計を右手首に巻いて
左手に携帯を握り締めて
左右逆の長靴を履いた   娘がいた。


窓から外界へ 初の脱走。

それも何だか娘は
「これ、癖になっちゃうかも」
の顔をしている。逃亡癖?


どんどん色々なことが一人で出来るようになるのは微笑ましいけど

一人でどっか行かれるのは 困るよ。

これからは気を付けないと、ネ。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-27 09:20

23 passwords

今日はちょっと愚痴を。

仕事上、僕は23個のパスワードを持っている。


予算管理システムにアクセスするためのパスワード
売上台数をチェックするためのパスワード
売上金額をチェックするためのパスワード
経費処理を行うためのパスワード
物流管理システムにアクセスするためのパスワード
在庫状況をチェックするためのパスワード
エトセトラ・エトセトラ・・・・・・・









・・・・・これって 変ですよね。



多すぎやしませんか。




全て同じパスワードに出来れば簡単だが、

最初に与えられたパスワードが変更できなかったり
ある一定の時間が経過するとパスワードを変更しなければならなかったり

同じパスワードに揃えるのは到底無理な話である。


従って、だ。

僕は、こやつらパスワードたち(これからもっと増えていくんだろうが)をエクセルの表で管理して、忘れないよう努めている。そのエクセルを開くにもパスワードが必要だったらそれはちょっと笑える話だが、辛うじてエクセルにはパスワードは必要ない。


今日、そのエクセル表のパスワードを数えたら、合計23個だった。


声を大にして言いたい。
何のためのパスワードなんだ。
セキュリティ? いやいや、持ち主本人を疲労困憊させるためのものだろう。

だったら その目的は達成された、と褒めてやってもいい。

今は

何が正常で
何が異常なのか

分からなくなっている自分がいる。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-26 08:32

what are you doing?

社会に対して好奇心旺盛な娘が、最近頻繁に唱える疑問。

「何してんの?」

e0032092_7333439.jpg
いつでもどこでも自分が納得するまで、しつこいくらいに聞いてくる。

娘 「ねぇねぇ なにしてんの パパ~?」

僕 「うるへー お前のオムツを換えてんじゃ!」

娘 「そっかー!」


親子の地味なコントは、ロンドンの夕焼け空を今日も赤く染め上げる。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-24 07:10

キャッチボール

e0032092_7104415.jpg夕方、娘と二人で近くの日系食材店へ車で出掛けた。

娘 「ママ は?」

僕 「ママはごはんの用意しているよ。
   パパたちは足りない物を買いに来たんだよ」

娘 「豆腐?」

僕 「そう、豆腐と 焼肉のタレ」

娘 「タレ かぁ~」(妙に納得している


最近、娘の会話力・語彙力が飛躍的に向上している。
親子の会話も一方通行ではなく、段々とキャッチボール感覚のやり取りが可能になってきた。自分の言っていることが相手に通じると、次第に自我が出てくる。自分の要望や主張が通らない時、まだ豊富とは言えない言葉を使って激しく抗議活動に打って出る。反旗を翻した娘ほど厄介なものは無い。

そういう時は少し疲れるが、娘の成長を肌で感じられる瞬間でもある。


e0032092_7194730.jpg左の写真は、娘の積み木の作品。

娘は「おうち」と言っていたらしいが、親としては未来都市的な「おうち」だと解釈したい。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-22 06:59

permanent record

e0032092_7591044.jpg高校生の時に、何度も繰り返し観た映画がある。

「パーマネント・レコード」 1988年製作 米

今や時の人となった、キアヌ・リーブスが高校生役で出演している。

事故だと思っていた親友の死は、実は自殺だった。
何故助けてあげられなかったのだろう・・・。
苦悩の日々の先に見えたもの。
それは学校の上層部の反対を押し切り、
親友が遺した曲を卒業公演で演奏することだった。


バンドやギターに明け暮れ、受験勉強に身が入り切れないでいた僕は、この映画に登場する彼らの心の葛藤・社会への反骨精神に、生意気にも共感してしまった。

まさに、僕の青春時代の原点


僕にも、今までに自ら命を絶った友人が何人かいる。

時々、彼らのことを思い出して、彼らをそこまでに追い詰め、駆り立てた直前の状態や気持ちを少しでも理解しようと努力する。結局は理解出来ないし、「自殺」を正当化する理由は何も見当たらないんだけど、でもそうやって彼らのことをたまに深く考えることがとても大切なのだ、と思う。

彼らが遺した "permanent record" は、僕の心の中に存在し続ける。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-20 07:57

National Destroyed Bank

朝、自宅近くの銀行の窓口へ。

家賃が月に2回も引き落とされたことを抗議して、ちゃんと金を戻すよう指摘するため。

昨晩、大家に電話して3月に二ヶ月分の家賃が振り込まれたことは確認済み。
明らかに銀行のミス。

窓口で事情を説明すると、奥の部屋へ通された。
相手は大柄な黒人女性。(推定40歳代)

名前や住所、本人確認のセキュリティコードなどを聞かれて暫く経った後、僕が持参した明細を見ていた彼女の口から予想もしなかった一言が発せられた。


「あなたの口座の支店、うちじゃないわね」


確かに。
僕の口座がある支店はここではなく、自宅からは非常に遠い場所にある。


僕    「そうだけど何か?」

銀行員 「私はうちの口座しか端末で確認できないのよ」

僕    「は??」

銀行員 「だから、あなたの支店の情報はうちにはリンクされてないの」

僕    「へっへっへ ご冗談を」

銀行員 「あなたの支店に直接問い合わせて」

僕    「もうやった。電話した。そして数週間もノーリアクション、音沙汰無し」

銀行員 「再度トライしてみて


・・・お話にならん。
怒るというより、壊れてみよう、いっそ。


僕    「あのな、(この黒人の太っちょの銀行員っ!、)あんたんとこと僕の支店は確かに違うが、僕からすれば○○銀行には変わりはないやんけっ!!他の支店の情報が取れなくてどーするっ!!!日本では有り得んぞ、そんな話っ!!!」


一生懸命伝えたと思う。
82.74%くらいは伝わったと思う。


銀行員 「出来ないものは出来ないのよ」

僕    「・・・・・」 (やや諦めモード 戦意喪失)

銀行員 「お引取り下さい」 (とドアを開けて外へ出るよう促す)

僕    「お%じゃ$らけ##ぼん@っ」 (と半ば力ずくで追い出される)


なんなんじゃ、この国の金融サービスは。

気の優しい僕の大家は、「取りすぎた1ヶ月分の家賃を小切手で返そうか?」と言ってくれている。それもアリだろう、この際。しかし、それではいけない。銀行はミスを認めて正式なルートで顧客である僕にお金をバックしなければならない、と思う。

戦いは続く。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-17 08:39

National Buster Bank

イギリスの銀行で口座を開設した場合、日本のような「預金通帳」は無い。

その代わり、毎月一回、口座の入出金明細(Statementと呼ぶ)が銀行から郵送されてくる。オンラインでも明細をチェックできるが、面倒臭がり屋の僕はまだオンラインの登録をしていないので、パソコン上でチェックすることは出来ない。

事の発端は、4月初旬に銀行から3月分の明細が送られてきた日。

明らかに口座の残金が少ない。

上からチェックしていくと、驚くほど簡単にその理由が判明した。

家賃が月に2回、引き落とされている。

家賃は毎月一回、自動引落し(Standing Order)で大家の銀行口座に入金されるよう設定済みだが、3月の明細では

3月29日に1回
3月30日に1回

同じ家賃の額が引き落とされているのだ。



・・・ていうかさ。

有り得なくない?


僕がきちんと明細をチェックしているから、いい。

大してお金持ちではないから
月1回分の大目の家賃が口座残金に大きなインパクトを与えちゃったから、まだいい。


コレ 気が付かなかったら どうすんだよっ!!


早速、翌日会社から銀行の支店に電話。 説明、抗議。

オペレーター 「あら ホントね 2回だわ」

・・・・・ おーい。 どうでもいいけど俺の金を返してくれ。

「すぐに調査して折り返し電話するワ」と言われ、早数週間。No reaction...

英語に自信が無い、なんて言ってられない。
明日は窓口に乗り込むつもり。(なんだか奮闘記っぽくない?)
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-15 04:28

夏日!

つい最近までコートを羽織っていたと思ったら、今週はなんと25度以上の夏日があった。

昼間遊び疲れた娘が、妻の胸の中で静かな寝息を立てようとしている。

「ねんねーん ころりーよ~ おこーろーりよ~」


って。
お前が歌って どうすんねん
寝かされるのは お前の方やん


今週の娘。
・・・手抜きですみません。

e0032092_8134474.jpge0032092_814771.jpge0032092_8142622.jpg
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-12 08:10

chestnuts

ロンドンでは、輸入してくる日本の食材は値段が高いのが一般的。
中でもお菓子やカップ麺は日本での定価の2倍~3倍で売られている。

輸送コストがかさむのがその理由だが、こちらに来てから2年も経つと「どうしたら安く日本の味を入手出来るか」-その辺の思考回路が異常に発達してくる。

e0032092_812275.jpg日本のお菓子やカップ麺の場合、僕たち日本人の強い味方は中国・韓国系のスーパーや食料品店。日本の製菓・製麺メーカーはこうした隣国では独自ブランドを立ち上げて販売しているケースが多く、イギリスの中国人(華僑)・韓国人の商流に乗って輸入されてくるお菓子やカップ麺が非常に手頃な値段で店頭に並んでいたりするのだ。

例えば、

日本名「コアラのマーチ」 ⇒ 中国名「小熊餅」

多分日本国内で売られているのより内容量を減らすなどして原価を下げているのだろうが、一箱49p(約100円)で中国系スーパーマーケットで売られている。


で、最近娘がハマっているのが甘栗。
すでに皮がむき取られてパッケージに入ったアレだ。
甘さ控えめなオヤツとして重宝している。

日本の「甘栗むいちゃいました」などは目が飛び出るほど法外な値段で売られているので、これも中国・韓国系スーパーに頼ることになる。

以前大量に買い込んだスーパーで探したが今日は見つからない。中国人の店員に聞いてみる。「甘栗」と漢字で書いた紙を見せたが、今日はもう品切れだという。焦る僕。昨日の悪夢が脳裏をよぎる。


■昨日の出来事■

僕 「ママのこと好き?」

娘 「ママ好き」

僕 「じゃ、パパのこと好き?」

娘 「うー 栗!栗!」

僕 「・・・・・」


中国系スーパーの店内で、立ちすくむ一人の父親の姿があった。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-05-10 07:25