海外駐在員の目から見た日本とイギリス


by Mikihiko_Makita
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリ:Mackyの想い 10選( 10 )

東京性

故郷の東京に思いを馳せる時、懐かしさとともにまず心に描かれる風景。

僕の中でそれは、混沌とした都市性を呈する新宿副都心のビル郡や渋谷のスクランブル交差点でもなく、埃っぽい生活感と人懐っこい人情溢れる下町の路地裏でもなく、日本の美意識と歴史性の詰まった皇居の桜並木でもない。

僕が真っ先に思い描く風景は、何の変哲も無い、河川敷の土手だ。

土手の斜面の芝生にはタンポポの黄色い花が揺れている。土手の上の歩道では、厚着をしたおばさんがウォーキングに精を出す。その横でセーラー服の女子高生2人組がアイスを片手に家路へ向かう。パトロールの警官は、派出所の自転車を斜面に寝かせて、少しの間休憩中。
川の対岸では少年野球の試合がどうやら佳境を迎えているようだ。子供たちの声援のさらに奥に、灰色の工場が連立している。煙突からはいかにも人体に有害であろう煙が夕暮れ時の空に溶け出していく。

こんな景色が僕の中で、「東京性」を色濃く主張する風景なのだ。

河川敷の近くに住んだこともない、どちらかと言うと僕の今までの人生からは遠い存在であろう風景なのだが、なぜこんなにも僕の心で完成されているのだろう。とても不思議だ。

e0032092_7504573.jpg新しい車の中でコブクロの曲を聴きながら、そんな東京の景色を思い出した。

日本の桜が恋しい季節。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-04-07 07:40 | Mackyの想い 10選

Do-Re-Mi

昨日、映画(といっても最初はブロードウェイのミュージカルだったけど)「the sound of music」のドレミの歌について触れたが、英語詞と日本語詞との違いに興味を抱いたので、少し調べてみることにした。


まずは [英語詞]
"the sound of music"では、ヒロインのマリア先生が、厳格な軍人の父を持つトラップ家の子供たちに原っぱで音名(ドレミ)を教える場面。

Let's start at the very beginning
A very good place to start
When you read you begin with
A-B-C
When you sing you begin with do-re-mi
Do-re-mi
Do-re-mi
The first three notes just happen to be
Do-re-mi
Do-re-mi
Do-re-mi-fa-so-la-ti
Oh, let's see if I can make it easier


マリア先生曰く 「もう少し分かりやすくした方がいいわね」
で、ここからドレミの歌が始まる。

Doe, a deer, a female deer
Ray, a drop of golden sun
Me, a name I call myself
Far, a long long way to run
Sew, a needle pulling thread
La, a note to follow sew
Tea, I drink with jam and bread
That will bring us back to do...oh oh oh
...(冒頭のDoeへ戻る)

「ラ」の説明が「ソの次に続く音よ」でちゃっかりまとめられているはどうかと思うが、あとの的確な言葉遊びは素晴らしい。心底脱帽。

で、少し長くなるがこのドレミの音階の原型は、1024年(!)にイタリアの僧侶により考え出されたのが最初らしい。カトリック教会で「聖ヨハネの生誕」の祝日に必ず歌われる「聖ヨハネ賛歌」の各フレーズの歌い出しの音が順々に一音ずつ上がっていくことから、この僧侶はその各フレーズの歌詞の頭を引用して

Ut - Re - Mi - Fa - Sol - La - Si

でドレミの歌を作った。

Ut queant laxis
Resonare fibris
Mira gestorum
Famuli tuorum,
Solve Polluti
Labii reatum,
Sancte Ioannes.

古典イタリア語なので、なんだがよく分からんが、とにかくそういうことらしい。


で、お待たせしました。
我らがペギー葉山氏の [日本語詞]
ペギー葉山さんは海外で英語の「ドレミの歌」を耳にして、「是非日本の子供たちにも浸透させるべきだ」と日本語詞を手掛けることを決断したという。

彼は帰りの飛行機の中で、日本の子供たちに分かりやすいように、ドレミ・・・全ての音を「食べ物」に置き換えることを考えた。

ド は ドーナツの ド
レ は レモンの レ


・・・ いいでしょう。 しかし、だ。

ミ は みんなの ミ

・・・ 早くも「食べ物」は諦めてますから。

ファ は ファイトの ファ

・・・ みんなでスクラム組もう、ってことかな。

ソ は 青い空ぁ~

・・・ もう、どうでもよくなってません?

ラ は ラッパの ラぁ~

・・・ お、なんか子供向け単語に戻って来た感。

シ は し・あ・わ・せ よ~♪

・・・ あ、やっぱりどこかへ行っちゃいそう。気をしっかり持って!


ちなみに「ファ」は当初、飲料水の「ファンタ」にしようとしたが、商標を出すとNHK「みんなのうた」で放送できないため差し替えられた、という苦いエピソードがあるらしい。

考えてみると、この日本語詞、上手くまとまってはいるが。
とにかく物凄い歌詞である。これもある意味、脱帽。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-03-16 06:05 | Mackyの想い 10選

window-dressing settlement

粉飾
①紅・白粉(おしろい)でかざること。
②実状を隠して見かけをよくすること。よそおいかざること。
広辞苑 第五版より

事が起きてから意見を述べても胡散臭くなってしまうが、僕はライブドアの堀江社長が人間的に好きになれなかった。そして今まで「ライブドア」の名が付く商品を選ぶことを拒んできた。

年末に帰国した折、ブラウン管の中で無邪気に「カイテン♪カイテン♪」と自社が買収した中古車販売会社のCMに登場するホリエモンを見て、僕は「この人気はそう長続きしないぞ せいぜい今を楽しめ」とほくそ笑んだものだ。

確かに、彼は若くして起業して事業を拡大し、古くからの体質が抜け切れていない日本社会に風穴をあけた。若い人たちに「やれば成功する」という起業マインドを植えつけさせた功績は無視できない、と思う。

しかし、「彼が血の滲むような努力をしてきたか」
-これに僕は肯定的になれないのだ。

僕は個人投資家として株を売買したこともないし、金融方面に詳しくないので、深く書き進めると自分の無知を曝け出すことになるのだが、堀江社長率いるライブドアがどうやって今の成功を勝ち得たのか。法の抜け道を巧妙に利用してお金を右から左に動かすだけで大きくなってきた、とは言えないだろうか。

そんな堀江社長のやや人を見下した感のある話し方、ブランド物でそれこそ「粉飾」した容姿に、何とも言えない「胡散臭さ」を感じてしまうのだ。

例えば、僕はメーカーに勤務して8年目だが、「物作り」の世界には数々の努力が存在する。
①市場のニーズを収集して製品に反映する
②低コストかつ環境・品質に配慮する
③売上・利益を出す(税金を払って社会的貢献を果たす)
など列挙するのは簡単だが、まさしく企画・調達・開発・品質・工場・営業といった各部門でそれぞれの努力が土台となり、彼らの汗と涙の結晶が「製品」として日の目を見るのだ。

頑張っても上手く行かない企業もあるだろう。
それでも日々努力して何とかしようとする。

しかしライブドアのように、マネーゲームを演じるだけで成功する企業が大手を振って歩ける社会構造では、「真面目にやっている人が馬鹿を見る」状況にどっぷり浸かってしまうのだ。

これだけは言いたい。時代遅れだと言われても構わない。

「頑張った人や努力した人が報われる社会」
「職人気質が大切にされ受け継がれていく社会」
-日本はいつまでもそんな国であって欲しい、と僕は思う。
[PR]
by mikihiko_makita | 2006-01-19 06:14 | Mackyの想い 10選

can you hear me?

最近、日本に一時帰国中の妻に電話を掛けると、決まって娘に取り次いでくれる。彼女の話す言葉も増え、何より僕の声をきちんと(父親だと)認識してくれているのは嬉しい。
e0032092_720736.jpg

地球の裏側からインターネットで写真や動画を瞬時に受け渡すことが出来る便利な時代になった。しかし、何十年も昔から存在する「電話」というローテクが、未だにコミュニケーションには欠かせないツールとして君臨しているのは、人間にとって「声」という生の媒体を通すことで相手の生の営みを感じることが出来る唯一の手段だからであろう。
インターネットも「繋がっている」が、その繋がり方の密度が電話には到底勝てっこないのだ。

「声が聞きたかったから」
・・・そんな大した用事もない1本の電話が、僕は好きだ。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-12-15 07:06 | Mackyの想い 10選

symbolic animal

ピッチを縦横無尽に駆け回る、フットボールの選手たちのユニフォーム。
胸のエンブレムには力強いライオンが描かれていることが多い。

今日の昼食時、同僚のBenと「国を象徴する動物」の話になった。

イギリスの象徴的な動物は百獣の王ライオンで、なるほど観光客が多く訪れるロンドンのTrafalgar Square(トラファルガー広場)には三越のあのライオンの原型となった大きな像が4頭も居座っているし、大昔から伝わる王家・名門の紋章にかなりの頻度で登場しているのを見かけたことがある。

e0032092_819139.jpg「£1の硬貨の表にもライオンがいるよ」

今まであまり気にしなかったが、確かにBenの言う通り、£1硬貨の表には腹が立つほど高貴なライオンが王冠を被ってこちらを見ている。後で調べてみると、10p硬貨にも1頭のライオンが。


イギリスでは、単なる百獣の王としてだけではなく、昔から大陸の脅威にさらされながらも数々の大戦で勝利した大英帝国の強さの象徴、国民の精神的な支えとして愛されている動物なのだ。

「日本の象徴的な動物は何?」

そりゃ、来るはな。この質問。話の流れ的に。
しかしすぐには答えられず、しばらく考え込んでしまった。


なんだろ。
考えたことなかった、かも。

トキ?
いや、希少価値はあるが、動物の日本代表ではない気がする・・・。
(ちなみにトキだった場合は英訳が分からないので早く頭から追い出したかった、のもある)

うーん・・・。(かなり困り中。イギリスが明確に「ライオン!」なだけに)


かなり時間が経ってから、自信無いけどこう答えました。

僕 「・・・  と  かな。」
Ben 「へ?」

イギリス代表のライオンに無理やり挑まなくてはならなくなった、哀れな鶴と亀。それも勝手に日本代表。

その後、鶴と亀の芸術性(?)、神秘性(??)を不得意な英語で切々と説く一生懸命な僕が食堂のテーブルにいた。

間違っていたら誰か教えてください。

けど、昔からおめでたい長寿の動物として"鶴亀のように・・・"と言うじゃありませんか。他に思いつきませんのよ・・・。

日本のsymbolic animalって何だろう。謎だ。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-11-10 08:12 | Mackyの想い 10選

暖炉と煙突

ロンドンの住宅街で良く見られるフラット(日本で言うマンションやアパートなどの集合住宅のこと)。僕たち家族も、このフラットに住んでいる。

日本のマンションのような近代的なフラットもあるが、フラットのほとんどはヴィクトリア王朝・エドワード王朝など、遠い昔に貴族の住む1軒家として建てられたものが、その後フロアごとに区切られて集合住宅化したタイプだ。

最近面白いことに気付いたのだが、その建物に何世帯の部屋が入っているかは、屋根の上の煙突の数で分かる。

e0032092_8211572.jpg例えば屋根に煙突の口が6つあれば、それぞれ煙突は各家庭のリビングにある暖炉に直結しており、従ってその建物には6世帯居住していることになる。

しかし、実は煙突も暖炉も今やもう使われていない。


以前は、それら煙突も暖炉もバリバリ現役でその役目を果たしていた。

しかしロンドンの人口が過密化するにつれて、深刻な煙害という環境問題に悩まされた市政は、その主要因である各家庭での暖炉、及び煙突の使用を強く禁じた。

市の思惑通り環境被害は抑制されたが、役目を終えた煙突と暖炉は過去の遺物としてそのまま放置されている。


物言わぬ煙突と暖炉のことを考えると、なんだか少し悲しくなってしまう話だ。

しかし、僕は屋根の上の煙突を見上げる時、その屋根の下に煙突の数だけたくさんの家庭の営みが存在していることを想像する。

そして暖炉に当たっているような、そんな暖かい気持ちになったりもする。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-10-29 09:17 | Mackyの想い 10選

everybody thinking...

イギリスという国について、最近ふと思うこと。

僕が感じるに、遠い昔の産業革命にしかり、テニスやラグビーやフットボールといったスポーツの誕生にしかり、ロックの神様ビートルズやツェッペリンにしかり、なんでも真っ先に事を起こす、先駆者的性格を持つ国だ。

しかし、その後の繁栄が続かない。(と言うのは言い過ぎか)

あっという間に周りの国がこれに追随して、イギリスという国を追い抜いていく。

鉄道を代表する移動手段は他の先進諸国並みの正確性・利便性をやや欠いているし、昔は大手を振っていた自動車メーカーは他国メーカーにそのほとんどが買収され、残っているのはRoverくらいなもんである。あ、Roverもどこかに買収されたんだっけ。
イギリス生まれのスポーツも本国で盛んとは言え、世界レベルで常にNo.1の座をキープしているわけではないし、イギリスの若者の聞く音楽もアメリカナイズされているのは周知の事実。

何がいけないのだろう?

素直な疑問。

僕は、これをいつも周りのイギリス人に聞いている。
彼らからすれば、僕のこの質問は素朴ではあるがかなり失礼なんじゃないか、とも思う。

同僚のBenはこう答えた。

それはイギリス人みんなが感じている疑問だよ。 (ん?)

違うイギリス人の同僚はこう答えた。

私も知りたいわ、その理由。 (あれ?)

いまだかつて、彼らからこの疑問に対して、僕を納得させられるに足る明確な説明は得られていない。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-10-20 07:59 | Mackyの想い 10選

携帯電話

携帯電話をいつ頃から持ち歩くようになったのだろう。

それは大学3年生、就職活動をする上では必須ツールと認識され始めた時で、周りの友人の間で徐々に浸透していき「じゃ、僕も」という具合だった。

携帯電話を持つ前の、中学~大学生前半の多感な時期は、女の子に電話するのも一大事だった。自宅の電話では親の手前恥ずかしく、犬の散歩と偽って公園の電話ボックスに駆け込んだ。

「相手の親が出たら、自分を何と名乗ろう」
「持っている10円玉の分だけで、言いたいことは伝わるだろうか」


なんとも胸キュンな時間帯である。
僕くらいの年頃の人は誰もが経験したことだろう。

ちなみに散歩だと尻尾を振ってついてきた犬は、その辺に繋がれっぱなしだったけど。


小さい頃から携帯電話が当たり前の、今の若い人たちにはこの胸キュンな場面を体験することが出来ない。短縮ボタン1つで相手に繋がってしまうから。
>これってかなり可哀相なことだと思う。

時は流れる。猛スピードで。
その時々の技術革新により、人々の(特に若者の)ライフスタイルが大きく変わる。携帯電話しかり、インターネットしかり。

e0032092_8574595.jpg最近、娘の成長を肌で感じながら思うこと。

娘が物心付く頃に流行しているツールはなんだろう。

それを予測することは難しい。

しかし、親として、その新しいツールの正しい使い方をきちんと教育する義務がある、と思う。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-09-29 08:39 | Mackyの想い 10選

gesture

最近、気になることがある。
それは欧米人のジェスチャー。

こっちの人のジェスチャーは凄い。
肩をすぼめたり、顔をしかめたり、両手を振りかざしたりして、かなりのオーバーアクションで相手に自分の言わんとしていることを伝えようとする。

こっちの人から見たら、日本人は主張のない、意図の読めない、淡々とした人種なんだろうな。

そして、今日会社からの帰宅時に、相当激しいのを目撃した。
車で信号待ちをしていると、横の歩道に携帯電話を手に大声で話す、(割とキレイな)30代の白人のお姉ちゃんがいる。信号待ちの間、ちょっと彼女を観察。

電話しているということは、目に見えない相手にだよ。

そのオーバー過ぎるジェスチャーの意味は何ですか。


で最後に、お姉ちゃん何をしたと思う?

物凄く納得した顔をしながら、親指を上に突き立てたんですよ。
そう、俗に言う「バッチグー」のサインです。
何が理由で、彼女の中でコンセンサスが生じたのでしょうか。

思わず車の中からお姉ちゃんに向かって バッチグー を返してしまいました。(これは嘘です)

ところで、「バッチグー」って何の略?
ばっちりグッド?かな、たぶん。 すごい日本語だな。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-09-09 08:11 | Mackyの想い 10選

Aventure

僕は中学・高校時代にフランス語を少しかじっていたのだが、日本人の友達から「フランス語って英語と比較してどんな言語?」と聞かれることがよくある。

その時に決まって話を出すのが、「Adventure(アドベンチャー)」という日本でもお馴染みの英単語である。なんだか冒険心をくすぐられるような無邪気な言葉だ。ジャングルクルーズやピラミッドの秘宝、そんなものを連想するのは僕だけだろうか。BGMにはインディ・ジョーンズのテーマがぴったりだ。

しかし、この単語、フランス語では「Aventure(アバンチュール)」となる。これも日本でよく聞く言葉だが、雰囲気がまったく違ってしまうではないか。背景に色事や情事がチラチラと見え隠れたりしない?「ひと夏のアバンチュール」なんてカップル向けの旅行パッケージの文句だし、夜景やサンセットの見えるホテルのバーでワイングラスを傾けてチンっ!だ。
これが「ひと夏のアドベンチャー」ではどうだろう。なんだなんだ、何が起きるんだ。恐竜でも登場するんかい。

つまりはそういうことである。なんだか英語と比べるとフランス語はまろやかな、そして甘酸っぱい香りがする。日本人が時と場合によって同じ単語を英語・フランス語に使い分けていることがそれを証明している。
[PR]
by mikihiko_makita | 2005-07-28 06:35 | Mackyの想い 10選