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海外駐在員の目から見た日本とイギリス


by Mikihiko_Makita
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Tokyo Style 1

11月に弟の結婚式出席のため一時帰国したが、子供の頃から住み慣れた東京とは言え、やはり3年半も離れていると自分の琴線を刺激する「萌え」系の出来事もあれば、終始クエスチョンマークで頭が満たされる意外な出来事にも遭遇する。

これからいくつかその事例を検証して、日本滞在中の所感としたい。
今日は第一例、名付けて「東京スタイル1」。


東京スタイル1 - 外交官志望?の学生

海外赴任の駐在員家族が日本に帰国して真っ先に違和感を感じるのが、とても悲しいことだが「電車などで席を譲らない若者」である。こういうことを文章にすること自体、自分が着実に歳を取っていることを実感するが、世の先進諸国の中で日本は「最も電車内で睡眠を取れる民族」であると同時に「最もお年寄りや妊婦などに席を譲らない民族」であることは周知の事実である。大体、『優先席』が設けられていること自体、僕が住むイギリスから見ると相当ヤバイ状況なのだ。

今回の帰国の往路、いつも利用しているスカイライナーが運休していたため快速電車で上野へ向かった。混雑した成田空港~上野までの車中約2時間で、僕は計3人の地元のおばあちゃんに席を譲った。周囲の目には、重そうなスーツケースを手にした、明らかに国際線フライト帰りで時差ボケが隠せず白い顔をした僕が立ったり座ったりを繰り返すのはとても稀有に映ったであろう。


そして、僕の前の席に座る大学生風な兄ちゃん。
他の乗客と違って寝ているわけではないし、携帯画面を一心不乱に見つめているわけでもない。

彼は、本を読んでいた。

それもかなり集中、している。
本の世界に身を投じ、周りの何者も寄せ付けないオーラを感じるほどである。
次の駅で乗ってきたヨボヨボのおばあちゃんが自分の前に立っても、完全無視。

「そんなの関係ねえっ! おっぱっぴー!!」(←覚えたて)
な感じ、である。

彼の視線が本から逸らされることは永遠に来ないのではないだろうか、と思われた瞬間、彼の熟読する本の表紙タイトルが見えた。

「北朝鮮 核の外交」


・・・・・・ うーむ。
読んでいる本は、実に難しそうな内容である。
ちょっとだけ尊敬してみたりする。僕もそんな本を読んでみたい。

しかし、だ。 学生さんよ。


まずは目の前のおばあちゃんと外交を成立させた方が良いのではないでしょうか。


ロンドン~成田の11時間半のフライト後に待っていた、日本の現実。
by mikihiko_makita | 2007-12-10 06:39