Dubrovnik Additional Day
2006年 08月 23日
Nightmare in Dubrovnik, Case 1
8月22日、Dubrovnik最終日。
午前中にホテルでチェックアウトを済ませ、鞄を預けて旧市街に昼食を取りに出掛けた。
ロンドン行きのフライトは午後4時半。
「またいつか来るからね」
旧市街に別れを告げ、2時過ぎにホテルに戻り鞄をピックアップする。
ん? んんん?
2つ預けた鞄のうち、僕の服やら靴が入ったSamsoniteの鞄が見つからない。
似たようなSamsoniteはホテルの物置にあるが、それは僕のではない。
嫌な予感・・・。
「これって、先にホテルを出た人が間違えて持っていったのではないか」
ポーターはポツリと言った。 「I agree...」
・・・げ。
”本気”と書いて、マジ?
「おたくら5starsのホテルだろ!なんとかしろよ!!」
「僕たちのフライトは4時半。それまでにベストを尽くせ!!」
「タクシー会社には確認取ったか?」
「空港は?間違った人が届けてないか?」
「ていうか、もう2時50分やん、どーすんのよ」
「こうなったら、この残された鞄を開けて誰のものか確認しろ!」
「動きが遅いな、Managerを出せ!Managerを!!」
今ある僕の英語力、総動員。
にわかにホテルのReceptionが活気付いた。
ホテルのロビーで待つ、悪夢の数十分間。
このまま鞄が出てこなくても、帰りの飛行機には乗らなければならない。
結局3時までに見つからず、もし見つかったら携帯に連絡を入れるようホテルに伝言を残して空港に向かった。タクシーの車中、重苦しい雰囲気が疲れた体に堪える。
空港に着くとすぐホテルから電話が入り、Informationの窓口に届けられていると言う。
すぐに窓口に向かうと、「Mr.Makita?」-空港職員が鞄をキープしてくれていた。
愛しの samsoniteちゃん との再会♪
Dubrovnik空港が小さな規模の空港だったこと
間違えた人が、空港で預ける前に「自分の鞄ではない」と気付いてくれたこと
ホテル・空港の人たちの連携プレー
以上を神に感謝せずにはいられない瞬間だった。
------------------------------------------------------------
Nightmare in Dubrovnik, Case 2
無事に鞄が手元に戻り、僕たちはBritish Airwaysのチェックインカウンターに並んだ。あまり時間が無い。その後、僕たちはこの世から抹殺されるかのような悲劇的な一言をこのカウンターの姉ちゃんから宣告されることとなる。
"Your flight is overbooked."
「over-booking (オーバーブッキング)」
航空会社やホテルなどの見込み違いで発生する予約超過の状態。欧米系の会社に多い。航空会社やホテルは出来る限り空席・空室を少なくするため、あらかじめキャンセルを見込んで日常的に座席数・部屋数以上に予約を取っている。通常は当日までに超過した予約数とキャンセル数が相殺して空席・空室が少ない状態になるのだが、ごく稀にこの予想が外れ、キャンセルが発生しない場合がある。この場合、きちんと予約をした客の一部に座席・部屋が割り当てられない事態が発生する。
Dubrovnikからロンドンへの便は、1日1便。
従って、僕たちが予約したこのフライトに乗れないということは、今日中には直行便でロンドンへ戻れないことを意味する。
横にいた妻は顔面蒼白。今にも泣きそうだ。
多分、僕の顔も同じようなもんだったろう。
次の瞬間。
世界の中心、Dubrovnik空港のチェックインカウンタで、僕はこう叫んでいた。
"No more trouble, Croatia!!!"
鞄の次は飛行機・・・ なんということだ。
僕たちには いつ平和が訪れるというのか。
いや、「平和」など永遠に来ない気がした。
"あそこのBritish Airwaysの窓口で相談して"
自分の仕事領域以外の案件を丸投げしたこのチェックインカウンタの姉ちゃんの指示通り、窓口に移動して次の姉ちゃんに説明を求める。「オーバーブッキングって言われたんだけど・・・冗談でしょ?」 -この後の姉ちゃんの一言はさらに衝撃的なものであった。
"unfortunately... yes"
眉間の血管が切れる音がした。
"アンフォーチュネイトゥリィ???"
・・・こいつらは揃いも揃ってなんで謝んないんだ。
おい、お前! 謝れ!!
この可哀相な日本人一家に「すみません」と頭を下げるんだ!!!
窓口の奥の方から、Account Managerと名乗るクロアチア人の男性社員が出てきた。彼は丁重に謝罪の意を述べた後、僕たちに用意されたオプションは2つあると説明する。
Option 1
今日中にロンドンに戻れないこともない。しかしその場合は、Dubrovnik→首都ザグレブ→フランクフルト→ロンドン・ヒースローの2回のトランジットが必要。11時頃にはヒースローに着くが、僕たちは行きに車をガトウィック空港の駐車場に停めていたので、車を取りに行かなければならない。結局、今日中には自宅に到着出来ないだろう。
Option 2
1泊延泊し、明日のガトウィック行き直行便に乗る。この場合、交通費・宿泊費・食事代全てBritish Airwaysが負担する。帰りの便はビジネスクラスの席が約束された。
"掛かった費用は全て私どもに請求してくれ"
・・・ 当然、 Option 2 だろ。
僕たちに割り当てられたホテルは、最高級の五つ星でその名も「ホテル・クロアチア」。
BAのマネージャーの人、何でも請求してくれって言いましたよね。
「♪この白ワイン、ボトルでヨロシク~」
ほら 食べなさい!
もっと 食べなさい!!
一年分 食べなさい!!!
ありがとう そして 今度こそ
See you Croatia !!!
8月22日、Dubrovnik最終日。
午前中にホテルでチェックアウトを済ませ、鞄を預けて旧市街に昼食を取りに出掛けた。
ロンドン行きのフライトは午後4時半。
「またいつか来るからね」
旧市街に別れを告げ、2時過ぎにホテルに戻り鞄をピックアップする。
ん? んんん?
2つ預けた鞄のうち、僕の服やら靴が入ったSamsoniteの鞄が見つからない。
似たようなSamsoniteはホテルの物置にあるが、それは僕のではない。
嫌な予感・・・。
「これって、先にホテルを出た人が間違えて持っていったのではないか」
ポーターはポツリと言った。 「I agree...」
・・・げ。
”本気”と書いて、マジ?
「おたくら5starsのホテルだろ!なんとかしろよ!!」
「僕たちのフライトは4時半。それまでにベストを尽くせ!!」
「タクシー会社には確認取ったか?」
「空港は?間違った人が届けてないか?」
「ていうか、もう2時50分やん、どーすんのよ」
「こうなったら、この残された鞄を開けて誰のものか確認しろ!」
「動きが遅いな、Managerを出せ!Managerを!!」
今ある僕の英語力、総動員。
にわかにホテルのReceptionが活気付いた。
ホテルのロビーで待つ、悪夢の数十分間。
このまま鞄が出てこなくても、帰りの飛行機には乗らなければならない。
結局3時までに見つからず、もし見つかったら携帯に連絡を入れるようホテルに伝言を残して空港に向かった。タクシーの車中、重苦しい雰囲気が疲れた体に堪える。
空港に着くとすぐホテルから電話が入り、Informationの窓口に届けられていると言う。
すぐに窓口に向かうと、「Mr.Makita?」-空港職員が鞄をキープしてくれていた。
愛しの samsoniteちゃん との再会♪
Dubrovnik空港が小さな規模の空港だったこと
間違えた人が、空港で預ける前に「自分の鞄ではない」と気付いてくれたこと
ホテル・空港の人たちの連携プレー
以上を神に感謝せずにはいられない瞬間だった。
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Nightmare in Dubrovnik, Case 2
無事に鞄が手元に戻り、僕たちはBritish Airwaysのチェックインカウンターに並んだ。あまり時間が無い。その後、僕たちはこの世から抹殺されるかのような悲劇的な一言をこのカウンターの姉ちゃんから宣告されることとなる。
"Your flight is overbooked."
「over-booking (オーバーブッキング)」
航空会社やホテルなどの見込み違いで発生する予約超過の状態。欧米系の会社に多い。航空会社やホテルは出来る限り空席・空室を少なくするため、あらかじめキャンセルを見込んで日常的に座席数・部屋数以上に予約を取っている。通常は当日までに超過した予約数とキャンセル数が相殺して空席・空室が少ない状態になるのだが、ごく稀にこの予想が外れ、キャンセルが発生しない場合がある。この場合、きちんと予約をした客の一部に座席・部屋が割り当てられない事態が発生する。
Dubrovnikからロンドンへの便は、1日1便。
従って、僕たちが予約したこのフライトに乗れないということは、今日中には直行便でロンドンへ戻れないことを意味する。
横にいた妻は顔面蒼白。今にも泣きそうだ。
多分、僕の顔も同じようなもんだったろう。
次の瞬間。
世界の中心、Dubrovnik空港のチェックインカウンタで、僕はこう叫んでいた。
"No more trouble, Croatia!!!"
鞄の次は飛行機・・・ なんということだ。
僕たちには いつ平和が訪れるというのか。
いや、「平和」など永遠に来ない気がした。
"あそこのBritish Airwaysの窓口で相談して"
自分の仕事領域以外の案件を丸投げしたこのチェックインカウンタの姉ちゃんの指示通り、窓口に移動して次の姉ちゃんに説明を求める。「オーバーブッキングって言われたんだけど・・・冗談でしょ?」 -この後の姉ちゃんの一言はさらに衝撃的なものであった。
"unfortunately... yes"
眉間の血管が切れる音がした。
"アンフォーチュネイトゥリィ???"
・・・こいつらは揃いも揃ってなんで謝んないんだ。
おい、お前! 謝れ!!
この可哀相な日本人一家に「すみません」と頭を下げるんだ!!!
窓口の奥の方から、Account Managerと名乗るクロアチア人の男性社員が出てきた。彼は丁重に謝罪の意を述べた後、僕たちに用意されたオプションは2つあると説明する。
Option 1
今日中にロンドンに戻れないこともない。しかしその場合は、Dubrovnik→首都ザグレブ→フランクフルト→ロンドン・ヒースローの2回のトランジットが必要。11時頃にはヒースローに着くが、僕たちは行きに車をガトウィック空港の駐車場に停めていたので、車を取りに行かなければならない。結局、今日中には自宅に到着出来ないだろう。
Option 2
1泊延泊し、明日のガトウィック行き直行便に乗る。この場合、交通費・宿泊費・食事代全てBritish Airwaysが負担する。帰りの便はビジネスクラスの席が約束された。
"掛かった費用は全て私どもに請求してくれ"
・・・ 当然、 Option 2 だろ。
僕たちに割り当てられたホテルは、最高級の五つ星でその名も「ホテル・クロアチア」。
BAのマネージャーの人、何でも請求してくれって言いましたよね。
「♪この白ワイン、ボトルでヨロシク~」
ほら 食べなさい!
もっと 食べなさい!!
一年分 食べなさい!!!
ありがとう そして 今度こそ
See you Croatia !!!
by mikihiko_makita
| 2006-08-23 07:06