海外駐在員の目から見た日本とイギリス


by Mikihiko_Makita
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暖炉と煙突

ロンドンの住宅街で良く見られるフラット(日本で言うマンションやアパートなどの集合住宅のこと)。僕たち家族も、このフラットに住んでいる。

日本のマンションのような近代的なフラットもあるが、フラットのほとんどはヴィクトリア王朝・エドワード王朝など、遠い昔に貴族の住む1軒家として建てられたものが、その後フロアごとに区切られて集合住宅化したタイプだ。

最近面白いことに気付いたのだが、その建物に何世帯の部屋が入っているかは、屋根の上の煙突の数で分かる。

e0032092_8211572.jpg例えば屋根に煙突の口が6つあれば、それぞれ煙突は各家庭のリビングにある暖炉に直結しており、従ってその建物には6世帯居住していることになる。

しかし、実は煙突も暖炉も今やもう使われていない。


以前は、それら煙突も暖炉もバリバリ現役でその役目を果たしていた。

しかしロンドンの人口が過密化するにつれて、深刻な煙害という環境問題に悩まされた市政は、その主要因である各家庭での暖炉、及び煙突の使用を強く禁じた。

市の思惑通り環境被害は抑制されたが、役目を終えた煙突と暖炉は過去の遺物としてそのまま放置されている。


物言わぬ煙突と暖炉のことを考えると、なんだか少し悲しくなってしまう話だ。

しかし、僕は屋根の上の煙突を見上げる時、その屋根の下に煙突の数だけたくさんの家庭の営みが存在していることを想像する。

そして暖炉に当たっているような、そんな暖かい気持ちになったりもする。
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by mikihiko_makita | 2005-10-29 09:17 | Mackyの想い 10選